皆様こんにちは。
だいぶ間が空いてしまいましたが、第4回「医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針(医療機関ホームページガイドライン)」の
解説を何事もなかったように続けます。
(3)内容が誇大なもの又は医療機関にとって都合が良い情報等の過度な強調
1.任意の専門資格、施設認定等の誇張又は過度な強調
「知事の認可を取得した病院」等の当然の事実等を誇張することや活動実態のない団体による資格認定の名称の記載は、患者さんを不当に誘引する恐れがあるため記載すべきではない。
資格認定において医療広告規制では、厚生労働大臣に届出を行い認定された団体しか広告できないとされていますが、今回のホームページガイドラインでは、そこまで厳密に指定されておりません。ただし、医療機関関係者自身が自ら運営している団体からの資格認定や活動実態のない団体からの資格認定は認められないとしています。
2.手術・処置等の効果・有効性を強調するもの
これは前回もご紹介したビフォーアフター等の撮影条件や被写体の状態を変えて撮影した写真に言及するものです。(前回のニュース参照)
写真以外の表現等には全く触れられていないことに不自然さを感じます。
まずはビフォーアフターをターゲットするということなのでしょうか。
3.医療機関にとって便益を与える体験談の強調
本ガイドラインの注目すべき項目の一つです。
医療機関にとって便益を与えるような感想等のみを意図的に取捨選択し掲載するなどして強調することは、患者さんを不当に誘引する恐れがあるため記載すべきではない。また、患者さんに謝礼を支払うなどして便益を図ってもらうように誘導することも同様に記載すべきではない。
謝礼を払い口コミを書いてもらうようなステマ行為がいけないのは当然として、問題は体験談全般がNGになったかどうかの判断です。
巷で報道された本ホームページガイドライン関係のニュースでは、本項目を指し「体験談の記載はNGになった」と取り上げる媒体が多く見られましたが、実際には「便益を与えるような感想等のみを意図的に取捨選択し掲載」した場合に該当します。
即ち、体験談のうち便益を与えるような感想以外も洩れなく掲載する方法であれば、特に問題ありません。
また取捨選択したわけではなく、実際に良い事しか書かれていなかった感想も該当しません。
ただし、前項2で言及されています「手術・処置等の効果・有効性に関わる」内容であれば、NGと考えるべきでしょう。
医療広告ガイドラインにおいても、効果・有効性に関わる事項は厳しく規制されておりますし、「客観的事実でなくてはならない」という考え方からも掲載するべきではないと考えます。
4.提供される医療の内容とは直接関係ない事項による誘引
物品を贈呈する等の医療と直接関係のない情報を引合いに出し、患者さんを誘引する内容は記載すべきではない。
(4)早急な受診を過度にあおる表現又は費用の過度な強調
第4回目にしてやっと、本ガイドラインで最も問題となる項目に辿り着きました。
以前にも美容整形業界で「キャンペーン」等の価格を強調する表現が問題となった時期がありましたが、今回のガイドラインではさらに厳しい例示が付記されて、掲載すべきではない事項として公表されました。
患者さんに対して早急な受診を過度にあおる表現や費用の安さの過度な強調・誇張は、不当に誘引する恐れがあるため記載すべきではない。
記載すべきではない例
・「ただいまキャンペーンを実施中」
・「期間限定で○○療法を50%オフで提供しています」
・「○○50,000円」
・「○○治療し放題プラン」
上から2つの例示は理解できますが、残り2つはいかがでしょう。
状況が限定され過ぎており、例示として相応しいとは言い難いと言わざるを得ません。
よって、過剰に心配する必要はないと思いますが、自由診療において一般的な施設よりも安く提供しておられる施設は、今後価格の記載に注意した方が良いかもしれません。
ちなみに医療広告ガイドラインにおいても、キャンペーン等の費用を強調した表現は品位を損ねるものとして禁止されています。
本項目においては、医療広告規制よりも厳しい内容となっており、少々違和感を感じます。
また、他の例として、
・「顔面の○○術 1か所○○円」
といった記載も、複数個所の場合に比べ1か所の金額が著しく高額な場合には、価格の強調に該当するため掲載すべきではないとされています。
例えば「1か所10,000円のところ、5か所なら30,000円」等の記載が該当すると思われます。
本日はここまでにします。
残りも僅かとなってきました。
おそらく次回がホームページガイドラインの紹介の最終回になると思います。
次回も宜しくお願いします。