去る9月28日付で厚生労働省から「医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針(医療機関ホームページガイドライン)」が公表されました。
ご存知の通り、これまで医療機関のホームページは、情報提供や広報の場として医療広告の規制対象外として位置づけられており、個々の医療機関の良識に従って運営されていました。それが今回ガイドラインが作成されたことで、引き続き医療広告の規制対象外とはするものの、ガイドラインを無視して全く自由に作成するということは難しくなりました。
ではなぜ厚労省は今、ガイドライン作成に踏み切らなければならなくなったのでしょうか?
その答えは本ガイドラインの冒頭でも述べられている通り、近年美容医療サービス等の自由診療を行う医療機関において頻繁に発生している、ホームページに掲載された治療内容や費用が受診時の説明・対応と異なるなどのトラブルに対応する為です。
そもそも美容医療業界では、以前から医療広告規制すら遵守されていない過度な広告合戦が繰り広げられていました。ホームページに至っては、今回のガイドラインを遵守できている施設は恐らく過半数にも満たないのではないかという現状です。
このような状況であることから、国民・患者の利用者保護のために国が一定のラインを定め、加熱した掲載表現に歯止めを掛けようとする試みは必要不可欠な判断であったと思われます。
今回のガイドラインは基本的に、既に公布されている「医療広告ガイドライン」(平成19年局長通知:詳しくは医療広告規制ページ参照)に準じた内容になっています。つまり、今後は医療広告と同様にホームページでも、客観的で正確な情報を掲載するよう努めなければならないということです。
これで医療機関のホームページ作成のハードルが高くなり、市場の競争力が低下してしまうリスクはありますが、医療広告規制を理解していないホームページ業者が作成したホームページによって、患者さんがトラブルに巻き込まれることが減ることは社会にとって大変望ましいことです。
弊社は元々医療広告に配慮したホームページ作成を心掛けておりますので、今回のガイドラインで特別作成の仕方が変わることはありません。
ただし、今回のガイドラインではこれまでの医療広告規制にも述べられていない「費用の過度な強調」の例示等、新たに記載された内容もございますので、弊社でも再度検討するとともにこれから数回にわたってそれぞれの項目の詳細についてご紹介していきたいと思います。
次回に続く