先日の第5回検討会の熱も冷めぬままに、昨日10月25日に「第6回医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会」が厚労省で開催されました。
これまでの検討会のペースと比べると、異例とも言えるスピードで進行しており、先日厚労省に問い合わせした際に耳に挟んだ、「年内にガイドラインを固めたい」意思を強く感じます。
今回の検討会は、前回の検討会で挙がった意見をまとめ、さらに細かい点を詰めた内容になりました。
公開された資料から読み取れる注目の議題は2点。
■運営元が医療機関でない医療情報サイトの扱い
■ビフォーアフターに対する扱い
では、個々の議題についてざっくり案を解説します。
なお、前回同様、検討会資料を元に独自に考察した内容を含んでいるため、これで確定したという結果報告ではありません。 最終的な決定は、来年公表されるであろう新医療広告ガイドラインにてなされます。
■運営元が医療機関でない医療情報サイトの扱い
検討された媒体は、医療機関のホームページではない、第三者(ほとんど企業)が運営するランキングサイト、口コミサイト、医療情報総合サイト(医療機関検索ポータルサイト)、各種SNS、アフェリエイト、バナー広告・リスティング広告です。
これらのサイトで共通して、今後医療広告規制の対象とする条件は、
「医療機関が広告料等の費用を負担して掲載する、誘引性のある表示内容」
であるとされています。
ただしこの条件は、現状の医療広告ガイドラインでも広告の対象として掲げられていた条件です。
ガイドライン上ではバナー広告・リスティング広告を想起させるように書いてありますが、以前厚労省に確認した際に、ポータルもこの対象である旨を確認しております。
ですので、こちらの条件であれば、特に新たに対象となったというよりは、明文化されることになるということです。
一方で、広告に該当しないケースとして、以下のケースが挙げられています。
・掲載する医療情報が公で発表されているDPCデータなどを元に構成されている場合
・個人のSNS(医療機関が運営するSNSは広告に該当)
ただし、SNSに関しては、検討会委員からも、「医療機関が運営しているものか、個人が運営しているものかの判断が難しいのでは?」との意見が挙がっており、今後の検討次第というところでしょうか。
私見では、医院名が「特定」できるSNSを広告扱いにするのではないか?と考えています。
■ビフォーアフターに対する扱い
前回の検討会にて、厚労省側はビフォーアフターを全面禁止の方向で進めたい意図が感じられましたが、それに対して挙がった意見からもう少し細かく設定するという案が提案されています。
案1 誘引性があるものは原則禁止
誘引性がないとされる学会等で使用された術前術後写真以外は、禁止。
案2 虚偽・誇大なものを禁止する
加工・修正された画像や一部の症例を取り上げた画像の掲載を禁止する。
(ビフォーアフターはすべからく一部の症例ではないかと思うのですが。。。)
その他、診療内容に応じた、歯科領域の機能回復、乳房再建術のみ例外として許可するべきとの意見も挙がったようですが、こちらもなかなか一部症例だけ認めるという判断は難しいと思われます。
結果はまだ公表されていないのですが、各社マスコミの報道によると、どうやら案1の方向性で進める見通しのようです。つまり、学会等で使用されているビフォーアフター以外はサイトに使えなくなる方向ですね。
そうなると、どの規模の発表までを学会等と含めるかが注目です。
その他、医薬品や健康食品の記載範囲について、薬機法や医薬品等適正広告基準の記載内容を確認する検討がされていました。
栄養指導としてサプリメントを扱う医療機関も段々増えて参りましたので、医療広告規制だけを押さえておけばいいという状況ではなくなってきました。多様化する医療活動に対して、法規制のルールを守りながら、広告戦略を構築するハードルがどんどん上がってきているように感じます。
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情報元
厚生労働省 第6回医療情報の提供内容等のあり方に関する検討会
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000182300.html