医療機関ホームページガイドライン

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守るべきルールがある|誤解を与えない表現の中にこそ患者さんの信頼を得る方法がある|ルールを守ることは患者さんを守り、自院を守ることに繋がる

医療機関ホームページガイドラインの制定ガイドラインの制定Enactment

2012年9月28日、それまで一切の制限がなかった医療機関のホームページに対し、厚生労働省は「医療機関のホームページの内容の適切なあり方に関する指針(医療機関ホームページガイドライン)」を通知しました。

これまでの医療機関のホームページは、情報提供や広報の場として医療広告の規制対象外として位置づけられており、個々の医療機関の良識に従って運営されていました。しかし、この通知以降、引き続き医療広告の規制対象外ではあるものの、ガイドラインを無視して全く自由に作成するということは難しくなりました。
さらに、2013年9月27日に改正された医療広告ガイドラインにより、キーワード広告を行う場合は、広告にリンクされたページ及びそのページからリンクされている全てのサイトが広告として扱われることになりました。

医療機関ホームページガイドラインの構成ガイドラインの構成Constitution

医療機関ホームページガイドラインは、大きく二つに分けて「ホームページに記載すべきではない事項」と「ホームページに掲載すべき事項(自由診療を行う医療機関に限る)」で構成されています。
ホームページに記載すべきではない事項は原則、医療広告ガイドラインの第四項「禁止される広告について」で示す内容に準じています。しかし、その規制内容に条件が付与されていたり、範囲が限定されていたり、新しく追加になっていたりと似て非なる部分が見られますので、そういった医療機関ホームページガイドライン特有の記載事項を重点的にご説明していきます。

ホームページに記載すべきではない事項

(1)内容が虚偽にわたる、又は客観的事実であることを証明することができないもの

ホームページに掲載された内容が虚偽にわたる場合、患者さんを不当に誘引し、適切な受診機会を喪失させたり、不適切な医療を受けさせたりするおそれがあるため、ホームページに掲載すべきではない。

なお、虚偽にわたる内容の掲載については、医療法以外にも薬事法や健康増進法等でも規制されています。

例1)加工・修正した術前術後の写真等の掲載

あたかも効果があるかのように見せるため加工・修正した、術前術後の写真等は虚偽にわたるものに該当する。

一方、医療広告ガイドラインでは「手術前後の写真はもちろん、手術前のみ又は手術後のみの写真についても、治療効果に関わる表現であるため広告できない(医療広告ガイドラインQ&A)」としており、さらにイラスト等の表現も禁止されています。

例2)「絶対安全な手術」「必ず成功します」
絶対安全な手術を行うことは医学的に困難であるため、虚偽にわたるものに該当する。
例3)「一日で全ての治療が終了します」(治療後の定期的な処置等が必要な場合)

治療後の定期的な処置が必要であるにもかかわらず、全ての治療が一日で終了するといった内容に受け取られかねない表現は、虚偽にわたるものに該当する。

本例示は医療広告ガイドラインには無い項目であり、注意が必要です。実際の医療現場では何が起こるかわからないので、原則このような表現は控えた方が無難でしょう。

例4)「~%の満足度」(根拠・調査方法の提示がないもの)

データの根拠(具体的な調査の方法等)を明確にせず、結果のみを示したものは虚偽にわたるものとして見なす。また、非常に限られた患者さんを対象に実施された調査や謝金を支払うことによって意図的に誘導された調査の結果は、公正なデータといえないので虚偽にわたるものに該当する。

本項は医療広告ガイドラインにおいても言及されています。医療広告では満足度調査を行っている旨は広告可能ですが、その結果についてはデータの根拠の有無にかかわらず広告不可とされています。

例5)「当院は、~研究所を併設しています」(研究の実態がないもの)
医療法人の定款に研究所の設置を行う旨の定めが記載してあるのもかかわらず、研究している実態がない場合にも虚偽にわたるものとして見なす。

(2)他との比較等により自らの優良性を示そうとするもの

「日本一」「No.1」「最高」等の表現で、施設の規模、人員配置、提供する医療の内容等について、自らの医療機関が他の医療機関よりも優良である旨を示すことは、仮に事実であったとしても、患者さんを誤認させ、不当に誘引するおそれがあるため掲載すべきではない。また、著名人との関連性を強調することも本項目に該当するとして掲載すべきではない。

例1)「~治療では日本有数の実績を誇る」「県内一の医師数」
仮に事実であっても、他院との比較は掲載すべきではない。
例2)「芸能プロダクションと提携しています」「著名人AさんもB医師を推薦しています」
芸能人等が受診している旨等の表現は、仮に事実であったとしても、他院との比較にあたるため掲載すべきではない。

(3)内容が誇大なもの又は医療機関にとって都合が良い情報等の過度の強調

任意の専門資格、施設認定等の誇張又は過度な強調

「知事の認可を取得した病院」等の当然の事実等を誇張することや活動実態のない団体による資格認定の名称の記載は、患者さんを不当に誘引する恐れがあるため記載すべきではない。

資格認定において医療広告ガイドラインでは、厚生労働大臣に届出を行い認定された団体しか広告できないとされていますが、今回のホームページガイドラインでは、そこまで厳密に指定されておりません。ただし、医療機関関係者自身が自ら運営している団体からの資格認定や活動実態のない団体からの資格認定は認められないとしています。

手術・処置等の効果・有効性を強調するもの
撮影条件や被写体の状態を変えるなどしてして撮影した術前術後の写真等を掲載し、その効果性・有効性を強調することは、患者さんを誤認させ、不当に誘引するおそれがあることから、内容が誇大なものとして取り扱う。
医療機関にとって便益を与える体験談の強調
医療機関にとって便益を与えるような感想等のみを意図的に取捨選択し掲載するなどして強調することは、患者さんを不当に誘引する恐れがあるため記載すべきではない。また、患者さんに謝礼を支払うなどして便益を図ってもらうように誘導することも同様に記載すべきではない。
提供される医療の内容とは直接関係ない事項による誘引
物品を贈呈する等の医療と直接関係のない情報を引合いに出し、患者さんを誘引する内容は記載すべきではない。

(4)早急な受診を過度にあおる表現又は費用の過度な強調

患者さんに対して早急な受診を過度にあおる表現や費用の安さの過度な強調・誇張は、不当に誘引する恐れがあるため記載すべきではない。

記載すべきではない例
「ただいまキャンペーンを実施中」
「期間限定で~療法を50%オフで提供しています」
「商品A 50,000円」
「~治療し放題プラン」

医療広告ガイドラインにおいても、キャンペーン等の費用を強調した表現は品位を損ねるものとして禁止されています。
本項目においては、医療広告ガイドラインよりも記載すべきでない例示が明確となっています。

また、「顔面の○○術 1か所○○円」といった記載も、複数個所の場合に比べ1か所の金額が著しく高額な場合には、価格の強調に該当するため掲載すべきではないとされています。
例えば「1か所10,000円のところ、5か所なら30,000円」等の記載が該当します。

(5)科学的な根拠が乏しい情報に基づき、国民・患者の不安を過度にあおるなどして、医療機関への受診や特定の手術・処置等の実施を不当に誘導するもの

科学的根拠の乏しい情報で不安をあおり、受診を勧めることは厳に慎むべき行為である。

特定の症状に関するリスクを強調することで、受診に誘導するもの
「~の症状のある二人に一人が~のリスクがあります」
「こんな症状が出ていれば命に関わりますので、今すぐ受診ください」
特定の手術・処置の有効性が高いことを強調することで、受診に誘導するもの
「~手術は効果が高く、おすすめです。」
特定の手術・処置のリスクが高いことを強調することで、その手術・処置以外のものへ誘導するもの
「~手術は効果が乏しく、リスクも高いので、新たに開発された~手術をおすすめします」

(6)公序良俗に反するもの

  • 科学的根拠の乏しい情報で不安をあおり、受診を勧めることは厳に慎むべき行為である。
  • わいせつ・残虐な図画・映像、差別を助長する表現等の公序良俗に反する内容は、掲載すべきではない。

(7)医療法以外の法令で禁止されるもの

  • 薬事法(昭和35年法律第145号)
  • 健康増進法(平成14年法律第103号)
  • 不当景品類及び不当表示防止法(昭和37年法律第134号)
  • 不正競争防止法(平成5年法律第47号)

ホームページに記載すべき事項(自由診療を行う医療機関に限る)

通常必要とされる治療内容、費用等に関する事項

治療等の名称や最低限の治療内容・費用だけを紹介することにより患者さんを誤認させ不当に誘引するべきではなく、通常必要とされる治療内容、平均的な費用や治療期間・回数を掲載し、患者さんに対して適切かつ十分な情報を 分かりやすく提供すること。

治療等のリスク、副作用等に関する事項

利点等のみを強調することにより、患者さんを誤認させ不当に誘引するべきではなく、患者さん自身の適切な選択を支援する観点から、そのリスクや副作用などの情報に関しても分かりやすく掲載すること。

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