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2017年7月22日

<法改正> 医療に関する広告規制の見直し

7月20日、ついに厚労省の公式サイトに「医療法等の一部を改正する法律」の公布について(通知)が更新されました。

実はこの通知、6月14日に(医政発0614第6号平成29年6月14日)として、各医師会や業界団体を通じて各所に通知されていたものですが、厚労省の公式HPでは、医療広告規制を紹介するページではなく、新着通知を発表するページにのみ記載されていました。

弊社ホームページでは、去年から本改正に関わる「医療情報の提供内容等に関する検討会」の内容について、アナウンスしてきた次第であります。

第1回「4年振りに医療機関のホームページガイドラインが改定となるか?」これまでのおさらい篇

第2回「4年振りに医療機関のホームページガイドラインが改定となるか?」厚労省回答篇01

第3回「4年振りに医療機関のホームページガイドラインが改定となるか?」厚労省回答篇02

そのため、そろそろ改正されるだろうとここ数ヶ月は毎日のように厚労省サイトをチェックしていたのですが、まさか法改正のような重要な情報を公式サイトで共有せず、関係各所への通知のみで済ますとは思ってもおりませんでした。

おかげで恥ずかしながら、弊社の担当医院の先生から本改正について問い合わせ頂いたのが第一報でした。(即、厚労省に抗議を行い、2日後にはこうして公式サイトに情報公開をして頂きました。)

 

さて、報告が遅くなったという言い訳はここまでに致しまして、今回の法改正のポイントをお伝えしたいと思います。

今回の改正を一言でいうと、『医療広告規制の対象となる広告の範囲が拡がりました』となります。

これまでは、折り込み広告、TVCM、看板等の患者さんが望む望まないにかかわらず、目に入ってしまう患者さんを誘引する目的のある媒体が広告の対象でしたが、今回の改正により、「患者さんを誘引する目的がある表示全て」が広告の対象になると改められました。

一番大きな媒体としては、言わずもがな「医療機関のホームページ」です。

これまで医療機関のホームページは、患者さんが自身で検索するなどして自発的に辿り着くものなので、広告にはあたらない。とされていましたが、本改正によりホームページに記載する内容も全て広告として扱われ、虚偽の記載、比較広告、誇大広告、公序良俗に反する広告、その他厚労省が定める内容については、ホームページに記載することで違法になるということです。

公式サイトだけでなく、ランディングページやSNSであっても、患者さんを誘引する目的があると判断されるものは全て医療広告規制に従わなければなりません。

 

医療法の対象は医療機関だけでなく、ホームページ制作会社や広告媒体をもつ新聞・雑誌社全てです。違法な広告を違法と知らず、広告主の求めに応じて掲載した場合も連帯責任になります。

ただし、一定の条件を満たし、患者さんの意思決定への影響が少ないと判断された内容に関しては、例外として広告にあたらないものと考えるといった記載がしてあります。
(厚労省公式サイト「医療法等の一部を改正する法律の概要(医療に関する広告規制の見直し)」参照)

この例外となる条件については、今後改めて医療広告ガイドラインを改正するので、そこに詳しく記載するとのことでした。(7/18 厚労省医政局に電話確認)

 

昨年の「医療情報の提供内容等に関する検討会」の結論で、医療機関のホームページは現行の「広告」に組み込まず、別途ホームページを対象とした新しい表現規制を制定するという方向になったと認識していたのですが、ふたを開けてみればホームページも広告扱いにするという改正になっており、検討会の議論で決まる訳ではないことがわかりました。

結局、医療広告ガイドラインの改正が行われるまでは、具体的な対応は難しいと思われますが、本改正の施行期限が2018年6月13日までであることを考えますと、ガイドラインの改正が行われ次第、すぐに施行という可能性もあり得ます。

今の段階から少しずつ対策を講じておき、今後どのような形で患者さんに情報提供を行っていくのかということを、各医療機関が考えなければならない時期に来ていると考えます。

参考書類
「医療法等の一部を改正する法律」の公布について(通知)(医政発0614第6号平成29年6月14日)

 

 

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